今シーズン、立ち売りのやりがいって何だったのか?

コロナは様々な所に影響を及ぼした。それは野球場アルバイトの世界でも同じである。当然ながら無観客試合の頃には仕事そのものがなくなり、制限つきで観客を入れて開催し始めても以前と同じ状況には戻らない。チケット価格は異様なまでに高騰し、感染に対する不安とは別に観戦を見送った人も多かったのではないだろうか。思い出されるのは震災で開催が遅れた2011年度シーズンのこと。

開幕が遅れた結果、平日昼間に行われた試合を観戦したことがあった。満席には程遠い観客動員。盛り上がりたいけど何だか盛り上がるのも憚られる。関係者はできる範囲で最大限エンターテイメントしようと努めていたが、さながらシャッター街のような雰囲気の飲食販売スペースもあった。あの時は球場に行くことが色んな意味で応援だったが、今年は人目を忍ぶ場所になってしまった球場。

立ち売りの女の子たちは、マスクの上にフェイスシールドを装着して重い樽を背負っていた。観客数もあって配置人数も少なめで、もちろん大声でのPRは一切不可。髪飾りなど目立つものまで自粛しているのか、全体的に地味な感じにしているようにも見えた。現金でのやりとりは各自トレーを持参してその上での受け渡し。なるべく会話しないなるべく接触しないのでリピーターも増えにくい。

学生アルバイトの場合、就職活動だったり国家試験だったり大変な中でこれまでの経験をいかして自身の限界に挑戦する。その年にトップを取る子はだいたい前年時点で3~5位くらいまで上り詰めているもの。今年こそはきっと頂点に。ある程度の結果を出してきた子にとって、最終年度はそこがモチベーションになったりする。どうやらコロナはそういうのも全て奪っていってしまったようで。

この状況下、アルバイトを辞めてしまった有望な子も少なからずいたのではないだろうか? いったい誰が今年のトップなのかで盛り上がれないし、果たして来年誰がトップになりそうなのかもさっぱりわからない。売上的なこともさることながら、娯楽としての立ち売りに影響が出るのは実は来年だったりする。もしかしたら2020年度シーズンは若い女の子からビールを買える最後になるのかも。

まだ日本シリーズが終わっていないので完全にシーズン終了ではないけど、2021年シーズンの球場がどうなっているのか今から心配だ…

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