出稼ぎセラピストの是非

いつの時代にも「出稼ぎ」は身近なもの。例えば現在のように寒い時期の栽培や収穫が可能ならまだしも、そうでない場合に農家が冬の間に都市部で季節労働するのは珍しくなかった。あるいは少し前まで空前の円安外貨高だったので、海外で時給3,000円換算とかのアルバイトをしている若者の姿もよく見られ。それぞれ目的は異なれど、生活圏の外に出て働くことは人類にとって遺伝子レベルでのことなのかも知れない。

そしてメンエスにおいても、いつからか出稼ぎセラピストの存在がクローズアップされるようになってきた。今や首都圏のメンズエステにおいて、出稼ぎセラピストが1人も存在しなかったお店があるとしたらかなり珍しいのではないか。毎日レベルではなくても、週のどこかや月のどこかでは勤務があるのが普通か。それくらい出稼ぎというシステムは業界に浸透している。ではなぜ出稼ぎが増えてきたように見えるのか?

身バレのリスクを避けつつ、集客の見込める店舗での勤務を増やして稼ぎたい女性。高まるメンエス需要に対し、セラピスト不足でチャンスを逃したくないお店側。これらの利害が一致したことが主な理由と推測される。今はほぼ全ての都道府県にメンエスが存在しているものの、やはり人気店は都市部や首都圏に集中している。地方ではデリヘル嬢がメンエス嬢を兼務しているような、質の低いお店もあるのは事実だし。

また地方は都市部以上に狭いコミュニティーが存在し、○○の奥さんや△△の娘さんがメンエスで働いてるなんて噂は一気に広まる。稼がなくてはならない事情を抱えた女性にとって、地元で働くことはリスクでしかない。その分出稼ぎであればよほどのことがない限り、隣近所や会社の同僚に見つかることはない。半分観光を兼ねてやってくる嬢もいて、さながらワーキングホリデーのような感覚なこともあるのかなと。

またセラピストを豊富に抱えている店舗ならまだしも、オープンして間もないとか知名度の低いとかいう店舗にとってセラピスト不足は深刻。彼女らがいなければ客が取れず、お金を稼ぐことができない。かといって勤務していれば誰でもいいということではなくて、質の低いセラピストの存在はさらなる集客力の低下を招きがち。お店によっては在籍セラピストが1人もおらず、全て出稼ぎでまかなっている所もあるので。

出稼ぎは「地方→都市部」に限らない。「地方→地方」は聞いたことがないけど「都市部→都市部」あるいは「都市部→地方」は実際に存在する。専業セラピストの場合、たくさん勤務したいけど同じお店で連勤すると必死さが伝わって客が離れやすい。また地方の店舗でも、都会の洗練された女と遊んでみたい需要は一定数存在する。都市部の閑散期にあえて地方店舗に出稼ぎに、という戦略でやっている人もいたりする。

それらを解消する目的で、あえて出稼ぎというシステムをフル活用しているのだろう。あくまで個人的な感覚ではあるが、出稼ぎセラピストが目立つようになったのはコロナ以降から。さすがに初年度にあたる2020年はそうでもなくて、翌年2021年あたりから目立つようになった。おそらくそれ以前にも出稼ぎセラピストは存在していたのだろうけど、うまいことカモフラージュされていて単に見えていなかっただけかと。

出稼ぎセラピストはそれなりに優遇されており、在籍セラピストにはない最低保証とかがついていることも珍しくない。とはいえ最低保証だけで大して客が付かなかったら、わざわざ遠出した手間には見合わない収入に留まるのだろう。移動交通費や宿泊の費用までお店持ちということはないし。そんな事情もあり彼女らは良くも悪くも貪欲、公式オプションがあれば意地でも勧めるし裏オプションも着実に回収したがる。

セラピストなら誰しもそうだろうが、自分が稼げればよくて店の評判なぞ知ったこっちゃない。事実として常勤セラピストによる過激行為は、常習性があるとみなされ摘発のマークを受けやすい。一方で出稼ぎセラピストはリピートでの勤務はあるにせよ、一過性が担保されている。よって少々の過激行為があっても足がつきにくい。そういった事情も、出稼ぎセラピストがお店側から重宝されている理由と邪推している。

そういうこともあり、どうも出稼ぎセラピストは好きになれず可能なら避けたい。お店にもよるが、出稼ぎセラピストは見分けがつきやすい。昼~深夜までみたいな勤務を3~4日連続しているようなセラピストはたいてい出稼ぎと思って間違いない。在籍の専業セラピストであればまだしも、在籍の兼業セラピストならそういう形態での勤務は不可能である。全てを回避できるわけではないのだが、有効な判別方法である。

今や必要悪となった出稼ぎセラピスト。ただ彼女らの存在が業界の衰退につながるリスクも否定できないものがある。

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