メンズエステとは承認欲求の世界

メンズエステ人生を振り返るという回顧記事を書き始めたのには理由が。2022年末を期に客としてメンズエステと関わるのは引退しようかと。それにあたりこれまでの体験をまとめることで、次のステップを踏み出すきっかけにするつもりではあった。ただ書きたいネタはまだまだあるし、生活の合間を使っての執筆だと年内では収まりきらなかった。おそらく2023年の3月くらいまで色々と作成するが、それが終わったらもうメンエスはおしまい。

生涯で初めてこの手のお店に足を踏み入れたのが2007年の夏前だったか。そこからかれこれ15年、通うペースはその時々で変動はあれど、年間で1度も行かなかった年はなかったはず。使ったお金を合計するとさすがに戸建ては立たないにしても、そこそこ高級車1台分には匹敵する。もしもメンズエステに行かずに高級車を買っていたなら、メンエスで味わえなかった体験が手に入ったことは想像に難くない。もちろん逆もまた然りではあるが。

楽しくて通っていたのはその期間内で累計しても数年だけ。それこそ最後の1年は完全に惰性であり、何が楽しくて通っているのかわからなかった。その間にメンズエステを取り巻く環境は劇的に変化していき、隠れ家チックなものから堂々としたものへ。店だけでなくセラピストもそうで、働いていることを友人に隠さず話して友人をこの世界に引き込む学生も増えた。キャバクラや風俗よりも後ろめたさがなくハードルが低いことがその理由かと。

性的サービスは必要なく、どうしてもしなくてはならない状況になれば裏オプで金を取ればよいが今のメンズエステの実態である。かつては風俗よりも圧倒的に安く、美人が溢れていたメンズエステ。手コキよりも過激な内容はそうそう望めないが、しっかりヌキはしてくれるメンズエステ。それこそがメンエスの価値であり存在意義だったのだが、気がついたら圧倒的にイマイチな容姿が増え料金は高くなり楽しい思いはほとんど味わえなくなった。

セラピストはお金のためにこの仕事をやる。勤務回数を自由に決められ、短い時間で稼ぐことができる世界はそうそうない。お金以外の理由でこんな仕事をやる人はいないのだが、あえてお金以外の理由を探すと「承認欲求」というワードに辿り着く。特にここ4~5年はそんなセラピストが増えた気がする。褒められたい、女としてエロくなりたい。そういう彼女らはその手の努力を全力でしているかといえば、案外そうでもなかったりもするが。

そもそもメンズエステに集まる子に努力家などいないし、楽をして稼ぎたいからこの仕事をするのである。それに承認欲求なんてものも、冷静に考えればパートナーなり家族なりによって満たされていれば無意味である。そういうものが不足していてお金に困っているという条件が重なると、新たなセラピスト誕生の瞬間となる。さてセラピスト側の承認欲求について触れたが、逆に客の立場からするとメンズエステに通う理由とは何なのだろう?

あわよくばエロいことがしたい。できればプロとではなく素人みたいな子といけない場所で、というのが全ての男性の切実なる願いではある。ではそれを除いて考えた場合の理由は何か。実は客側のメンエスに通う理由もやはり承認欲求だったりすることに気づいた。リピートして通う男性の中に富裕層で美人妻を持つみたいな人はほとんどいない。富裕層は確かにお金を持っているが、そもそも忙しくてメンズエステなどに現を抜かすことはない。

あるいは子育てに一生懸命であるならそっちが優先順位として上になるのが普通。そういうものを得られなかったり、得られていても満たされないからメンエスの沼にはまっていく。男として女に認められる存在でありたい、もっといえば性的に興奮できる存在でいたい。全てではないにしても多くのセラピストは献身的に奉仕してくれるが、それはその男性に対してではなく払ったお金に対してなのだ。お金がなくなるか時間が経過すれば終了に。

これ以上通い続けても永遠に承認欲求が満たされることはないだろうし、進歩のない世界にずっといても意味がない。そろそろ違う場所に楽しみを見いだすことに価値を置く時が来たのだろう。もちろん得られた体験や思い出が無駄になることはなく、今後何かの役に立つことはあるだろうがこれ以上無駄に経験値を増やす必要はない。楽しいと思える人が通えばいいのであって、自分はもう去るべき状況に来たのでおとなしく撤退するのみである。

しばらくは記事ネタとして関わるが、さらばメンズエステ!

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