安室奈美恵さんの引退に思うこと

彼女の大ファンでもないのですが、いわゆる異様なまでのブームをリアルタイムで知っていた世代として引退発表は正直驚きました。以前と比べてメディア露出は減ってはいたものの、それでも長きに渡り安定した存在感を示す彼女は昨今の何でもかんでも「出る出る」そして「口パク」アイドルたちよりも圧倒的プレミア感がありました。そもそもテレビに出てるからいいとか、人気だとかいうものでもないのでしょうけど。

彼女の存在が作ったと言われるブームとはもちろん「アムラー」のことです。従来のミニスカートからさらに攻めた異常とも思われるマイクロミニというタイトスカート。彼女を真似ようと多くの若い女性たちがチャレンジしてみたものの、大半はブスな顔と太い足でどうやっても似ても似つかない。むしろ「ハムラー」じゃないかという感じでしたが。あのスカートは座った瞬間パンツもろ見えが確定演出となるんだよなぁ。

電車の中でもバラエティ番組の中でも、たくさんのパンチラを拝むことができたのはいい時代でした。ただあのマイクロミニは、実はけっこうな割合で生パンツでなく見せパンスカパンタイプがあったという事実が。何かが見えるんだけど微妙にエロくないというか不自然というか。そう感じたものは全て疑似パンチラだったのです。短くするということは見えるリスクが高まるということであり、当然の流れではあるけど。

女子高生ブームがピークに達し、世間の若い女性たちの露出度が最高潮に達していた時代。一方で今の時代につながる見せパン文化があの1990年代の終わり頃から密かに始まっていたということなんですよね。安室奈美恵さんはかわいくて歌もダンスも上手くて別格だったわけですが、当初からアイドルというよりアーティスト志向だったのでしょう。実際に読んだ何かの記事でも、そのようなエピソードが書かれていました。

なのでパンチラという観点だとあまりチャンスがないというか、パンツ見えそうだなっていう雰囲気は昔からほとんどなかったなぁ。同じミニスカートならむしろ安室奈美恵さんよりも、一緒にグループ組んでいたMAXに興味深々でした。初期の現役JKくらいの年齢だった彼女たちの方が、タイトミニ姿で歌って踊ればパンチラしそうな予感がしたからに他なりません。彼女たちが出演している音楽番組はよく録画してました。

パンツ見えてないかどうか入念にチェックしたものです。ただ記憶ではあまり見えたような感じはしなかったですけれど。そんなMAXもどっかのタイミングから路線変更を図り徐々にアーティスト志向になっていく。年齢の上昇という現実的な理由もあるのでしょうが、お得意のパンチラしそうなお色気作戦は鳴りを潜めるようになっていく。正直パンチラ目的で彼女たちを追っていた身としては、けっこうガッカリでしたが。

そういえばやはり元アイドルであるELTの持田香織も、初期の頃はタイトミニ姿が多くそれで人目を惹いていました。でも彼女もすぐに路線変更しましたよね。全員がそうとは言いませんが、多くの女性アーティストって最初の頃はやっぱりそういうものなのかな? そこには売り出したい事務所の圧力とかもあるのかも知れませんが。そして一定の年齢に到達したり、一定の地位を獲得すると保守的になっていくのは今も同じ。

現実問題、歌って踊ってというのはどんなアーティストであってもハードであるわけで。10代や20代前半くらいの頃だと、自分の肉体は永遠の若さを持っていて無限の可能性があるかのように思えるものです。でもそれが20代後半、30代となっていくにつれて確実に衰えがやってくる。それでもストイックに鍛えることでカバーするのが一流なのですが、あくまで維持であって衰えるスピードを遅くすることでしかないのです。

40歳を期に引退は、彼女なりの現実との折り合いの付け方なのでしょう。いやむしろよく40歳まであの肉体を維持したと思います。アスリートもそうですが、期待される高いパフォーマンスを維持するのって困難なことである。それは誰でも想像できることです。サラリーマンが40歳で引退するには相当の資産がないとできないことですが、そういう年齢にさしかかった際の身の振り方という意味では色々と考えさせられます。

さて、どんな明日を生きていくべきかな?

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