売り子たちもシーズン終了の季節

9月や10月ともなるとさすがにプロ野球も終盤にさしかかります。最近はクライマックスやら色々あるので11月くらいまで野球やってる、という極めて過酷な環境にあるわけなのですが。シーズンが終わると選手の引退や戦力外通告、監督やコーチの解任がニュースを賑わせます。たとえ契約更改で減俸提示されたとしても、それは来季もよろしくとオファーがあるわけなのでまだいい方なんじゃないのかなと。

野球が終わるということは、それにまつわるお仕事をしている人たちにとってもオフシーズンが来ることを意味します。施設運営や警備に関しては野球がなくてもコンサートやイベントがあれば仕事になりますが、飲食販売となればほぼ仕事がおしまいになると思われます。最近はファン感とかも盛んに行われるのでそういう場面で出店や立ち売りはあるのかも知れませんが、行ったことないのでわかりません。

つまり売り子の若くてかわいいおねーちゃんたちからビールを買うという行為も半年くらいできなくなるわけです。プロ野球のない時期の彼女たちは何をして過ごしているんでしょう? 知り合いとかでいたらぜひ教えて欲しいものです。おそらく別のアルバイトを掛け持ちしていていて立ち売りと並行しているか、時間に自由の利く登録制派遣のようなアルバイトをやっているんじゃないかと推測していますが。

野球選手に引退があるのと一緒で立ち売りの女の子も色んな意味で卒業していきます。何年も同じ球場に通い定期的にプロ野球観戦していると、選手が入れ替わるのと同じかそれ以上の速さで売り子さんのラインナップが入れ替わるのがわかるとか。かなり仲良くならない限り彼女らと私的な話はしないので、翌シーズンにはいきなり消えているなんてこともある。5年も経過すると残っている女の子はわずか。

わかりやすいのは卒業や就職、就活や結婚で辞めていくケースでしょう。この仕事はフリーターもいますが学生メインです。球場によっては高校生からこの世界に入る女の子も。卒業や進学してから始めるならともかく、高校生のうちから日常的にアルバイトするということは本人の意識としては「勉学<バイト」かと。まあ家庭の事情でアルバイトしなくてはならない、といったこともあるかも知れないけど。

そうなると地元の中堅から下位レベルの高校生が主体でしょう。そうなると進学しても専門学校や短大なので合計4年ほどで引退です。また最近は女子大生に人気のアルバイトとのことで、大学生からこの世界に飛び込む女の子も珍しくない。いずれ就職活動して卒業していくことを考えると、仮に大学1年生から開始したとしてもせいぜい合計で3~4年がいいところ。先ほどの5年という数字とはほぼ一致。

実際は選手以上に短命という事実に気づきます。現実的には体力的にかなりキツい仕事なので、ムリだと即辞めしていく人もいるはず。それこそ早い子だと1日目ででいなくなることもあるんじゃないでしょうか。たとえ1年勤め上げたとしても選手のように戦力外通告制度があるのかも知れません。売れるためにはそれなりの努力か内外いずれかの魅力が必要で、売る側も売れる子をたくさん抱えておきたい。

まあ売れない子には売れないなりの理由があるから売れないということなのですが。彼女たちの給与は歩合メインで、稼ぐには何杯売れたかが重要になる。売れる子はちゃんと客の顔を覚え、適度に仲良くなることで固定客を作りそある程度はの中で回せるようにしている。風俗キャバクラと同列に扱われるのは心外かも知れませんが根本は同じでしょう。新規開拓が必要なのは最初と売れなくなった時だけ。

個人的には「もうちょっとがんばればもっと売れる魅力を持っているのにもったいないなぁ」と思うような、適度な売り込まなさ具合で仕事してる女の子の方が好感が持てます。そういう子たちはトップ争いとかは二の次で、仲間と一緒に楽しくワイワイやれたらいいなって仕事してるのかも。使用者や経営者側からすれば悩みの種なのかもしれませんが、それはそれで素人商法っぽくてむしろ惹かれる部分も。

メディアがもてはやしていることもあり、どの球場においても目立ち過ぎる売り子の活動を苦々しく思っている方がいると聞きます。確かに派手な髪色に派手なメイク、さらには大きな声とあれば存在そのものが気に障るのか。そもそもお酒を飲まない人からすれば完全に無用の人物です。でも私の知る限り、同じ女性たちが彼女らを嫌い卑下するという話はあまり聞きません。そういうことするのはほぼ男性。

同世代の女の子たちは彼女たちのかわいらしさに興奮し、年配世代は娘や孫みたいな彼女らががんばっているのを応援したくなるんだとか。野球観戦の邪魔だみたいなことを言うのはえてして偏屈なオジサンだけです。どうせ彼女らのナマ脚やコスチュームから透けるパンツの線、または時と場合によってユニフォームの上からでもわかる大きな胸を見てはエロい妄想をしているくせにさ。何なんでしょうか?

とはいえ彼女らの魅力や存在を認めているからといって、エロ目的で絡む男性もどうかと思うのですが。確かに色恋で売る、あるいはそのように見えてしまう場面もあるのでしょうけど… 色々と取材をしていくと、大半は真面目な普通の女の子たちなんですね。服装や肌の露出で人目を引きやすいからといって、風俗やキャバの女の子たちほど艶のある方向に寛容ではない。けどお酒が絡むとどうしてもねぇ。

野球観戦をしていて、周囲にいる真っ当なおっちゃん客が立ち売りの女の子からビールを買いつつ来シーズンの去就を質問している姿を見ました。やはり「今年最後なんですよね」と聞くと寂しくなってしまうものなんでしょう。立ち売りという仕事は、一生続けない仕事であるからこそ魅力的に映るような気がしてなりません。今日は楽しくても、明日や来月や来年はいないかも知れない可能性のある儚さか。

ああ可愛いなと思ってもタイミングが合わず買えなかった女の子が、それ以降1度も会えぬまま。ビールを飲みながら球場観戦するのが好きな男性なら、誰もが1度は経験しているあの思い。買わずに後悔するなら買って後悔した方がいい。 本当に相性のいい女の子がすぐに見つかることなんて、確率的にはそうそう高くないことなのだから。本能に任せて思い立ったら目を見つめ、迷うことなく手を挙げよう!

あれは特別な仕事で、自分には絶対できない。何にせよあの世界で数年生き残っていけた実績があるなら、この先どんな世界でも選ばれるだけの魅力とタフさ持ち合わせているはず。去りゆく彼女らの次ステージでの活躍を祈りつつ、なぜその子を選んだのか? あるいはなぜその子の固定客として取り込まれるに至ったのか? その辺のメカニズムについて男性からの視点でいつか論じてみたいと思っています。

そのためにはもっと通わないとなぁ。圧倒的に情報が足りないや。

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